教育、学び、そして学校 〜 注73

公開: 2024年4月5日

更新: 2024年4月6日

注73. ジニ係数

ジニ係数は、特定の社会における所得配分の平等さを測る指標です。ゼロから1までの値で示されます。全ての人々の収入が均一で、差がないとき、その値はゼロになります。逆に、たった一人の人が社会全体の収入を独占しているとき、その値は1になります。これは、イタリアの統計学者、コッラド・ジニが、ローレンツ曲線を応用して提案したものだそうです。

ジニ係数は、OECDにおいて、ある国において富がどれくらい偏在し、格差が大きな社会であるかを知るための指標として利用されています。係数の値が1に近いほど、格差の大きな社会であると言えるからです。一般的には、ジニ係数が0.4を超えると、その社会では騒乱が多発するようになると言われています。世界全体のジニ係数は、1820年には、0.43でしたが、その後少しずつ上昇を始め、2002年に0.71となり、最大になりました。現在は、0.7前後を推移しているようです。これは、世界全体における所得が、著しく偏っていることを意味しています。

つまり、現代の世界は、ごく少数の富裕層に属する人々と、大多数の極端な貧困層に属する人々が、共存している状態にあります。ただ、先進諸国だけに注目すれば、そのジニ係数は0.3程度であり、所得の極端な偏りは見られません。日本の最近のジニ係数は、先進諸国のジニ係数よりも高く、だいたい0.38で、社会が不安定になる0.4に近いことが分かります。このことが、義務教育課程での不登校や「いじめ問題」を生み出す要因になっているのかも知れません。。

参考になる資料